『五行説』では、天地万物の姿をとって五行が現われると考えます。
天地万物 | 惑星 | 方角 | 季節 | 色 | 味 | 感覚 | 臓器 | 節句 | 虫 | 神 | 十干 | 十二支 | 八卦 |
五行 | 五星 | 五方 | 五時 | 五色 | 五味 | 五感 | 五臓 | 五節句 | 五虫 | 五神 | |||
木 | 木星 | 東 | 春 | 青 | 酸 | 視 | 肝臓 | 人日 | 鱗虫 | 蒼竜 | 甲乙 | 寅卯 | 震巽 |
火 | 火星 | 南 | 夏 | 赤 | 苦 | 聴 | 心臓 | 上巳 | 羽虫 | 朱雀 | 丙丁 | 巳午 | 離 |
土 | 土星 | 中央 | 土用 | 黄 | 甘 | 嗅 | 脾臓 | 端午 | 裸虫 | 黄竜 | 戊己 | 丑辰 未戌 |
艮坤 |
金 | 金星 | 西 | 秋 | 白 | 辛 | 味 | 肺臓 | 七夕 | 毛虫 | 白虎 | 庚辛 | 申酉 | 乾兌 |
水 | 水星 | 北 | 冬 | 黒 | 鹹 | 触 | 腎臓 | 重陽 | 介虫 | 玄武 | 壬癸 | 子亥 | 坎 |
五節句
節句というのは、もとは『節供』と書いて、季節の変り目に神に供えた食物のことです。中国では重日思想といって、同じ数字の重なる月日を忌みき らったため、神を迎えてお祓いをしたのが定着して五つの節句になったといわれています。
人日 (じんじつ) |
一月七日。いわゆる『七草』で、若葉の節句ともいわれます。春の七草を粥(かゆ)にして食べると、病気や災 難除けになるといわれ、芹、なずな(ペンペン草)、ごぎょう(母子草)、はこべら、仏の座(たびらこ)、すずな(蕪〉、清白(大根)を野山に摘みにいく習 俗があります。
『人日』といわれるのは、古代中国で、元旦に鶏、二日に狗(いぬ)、三日は猪、四日は羊、五日は牛、六日ほ馬を占い、七日には人を占ったという俗習から来 ています。 |
上巳 (じょうし) |
三月三日。はじめの巳の日という意味です。中国の水辺での祓いの行事が始まり で、もとは人形にけがれを移して川に流したのが雛人形として飾られるようになり、女の子の成長を祝う行事になりました。
魔を除くといわれる桃の時期でもあり、『桃の節句』ともいいます。 |
端午 (たんご) |
五月五日。「端(はじめ)の午(うま)の日」だったのが、午(ご)は五に通じる ことからこの日になりました。
節句は、もともと労働力としての女性に休養をあたえるもので、悪魔をはらう『菖蒲の節句』も、もともとは女の子の日でした。これも菖蒲(しょうぶ)が尚武 に通じるので、武家社会を中心に男子の節句へと変ったのです。中国の英雄屈原の死をいたんで、その亡骸を運んだ鯉を称えたのが鯉のぼりで、粽(ちまき)と いうのは鯉にあたえた餌をあらわしています。 |
七夕 | 七月七日。星祭「たなばた」は棚機女(たなばたつめ)がもとの意味で、機織り姫 のことです。織女星(琴座のベガ)と牽牛星(鷲座のアルタイル)の物語が日本人の共感を呼び、それが書道や機織りの上達をねがう乞巧奠(きこうでん)の風 俗と混り合った行事です。 |
重陽 (ちょうよう) |
九月九日の『菊の節句』。仙人彭祖(ほうそ)の捧げた菊酒を飲み、長命を保った 魏の文帝にあやかって不老長寿をねがう行事です。 |
五虫
五虫といっても、虫のことではありません・・・。
鱗虫 | 鱗のある動物。その代表は竜です。深い沼に住んで雲を呼び、落雷によって昇天するといわれています。 |
羽虫 | 羽をもった動物。その代表的なものが鳳凰(ほうおう)です。体に五色の紋様があ り、瑞鳥として尊ばれています。桐の樹に住み、竹の実を食べるといわれています。 |
裸虫 | 羽毛のない動物、つまり人間のことで、それもとくに聖人を指しています。 |
毛虫 | 毛のある動物。その代表として麒麟(きりん)があげられます。 |
介虫 | 固い穀をかぶった動物。その長が長命の代表、亀です。 |
五神
四方位および中央をつかさどる神のことです。
蒼竜 | 東方をつかさどる神・竜神。緑と竜の中国読みが同じ「りゅう」ですため、東と共存するという五行の観念をあ らわしています。 |
朱雀 | 南をつかさどる神。朱鳥ともいわれ、鳳凰を象徴する赤い鳥で、平安京の赤い朱雀 門は内裏の南側にありました。 |
黄竜 | |
白虎 | 西方をつかさどる神。白い虎神。 |
玄武 | 北方をつかさどる神。亀に蛇が巻きついた形の動物としてあらわされます。 |