今年は3月6日が啓蟄です。
現存する中国最古の医学書『黄帝内経素門:四気調神大論第二』によると、
春は、すべてのものが発生し、つらなる季節。
人々は夜更かしすることなく、早く床に入り、朝は早く起き出しゆるやかに動き出すようにする。
精神的にはすべてにおいてゆったりとのびのびさせておくとよい。
この養生法に逆らって心を緊張させたり、急激な労働をしたりすると春に盛んに活動する肝の臓が傷害されて病となる。
と書かれています。
肝は、自律神経の働きと深い関係があります。
肝が衰えると、気持ちが不安定になり、イライラしたり、怒りっぽくなることが多くなります。
また、肝は皮膚とも深い関係があり、皮膚の深い部分に潜んでいたにきびや吹き出物などが表面に出てきやすい季節ですので、皮膚炎が悪化しやすい季節です。
この時期は、肝の働きを助ける酸味の食品を摂ります。
ただし、虚弱な人や冷え性の人は、酸味が脾を痛めるので、甘味の食品を摂り入れます。この甘味とは、砂糖などの甘味ではなく、人参などの自然の甘さのことです。
また、のぼせたりほてったり、眼精疲労のある人、花粉症の人(肝が働き過ぎの人)などは、陰と血を補って肝の働きを穏やかにするゴマ、ハチミツ、乳製品、豆腐を摂るようにします。