5月6日は旧暦の立夏。立夏は春に別れを告げ、夏の日の始まりだということを示しています。
『礼記・月令』篇には立夏について、「ケラとキリギリスが鳴くと、ミミズが姿を現わし、キュウリが生長し、ノゲシが穂を出す」と書かれています。
『医学源流論』に
「心は全身の主であり、臓腑などは全て心の命ずるところに従い、ゆえに君主である。心は神を隠し、ゆえに神明の用である」
とあるように、夏の養生では特に心臓を大切にすることが重視されています。
立夏を迎える頃は気候が暖かくなり、一般的に心臓の動きが活発になるため、動悸が起きやすくなります。
心臓の機能が正常であれば脈拍の状態は力強く一定のリズムです。顔色もつやがあります。
もし心臓に何らかの異常があれば、血の流れが滞って脈拍は弱く乱れたりして、顔にも血色がなくなります。
中国医学では「夏は心気に相通じる」とされ、早寝早起きと静養に重きを置いています。また、激しい運動で汗を沢山かくのはダメです。汗は心臓の陽の気を傷つけるからです。朝目が覚めた時に、横になったままで軽く体を動かすといいです。
飲食では、酸味を多く苦味を少なくして、腎臓の働きを補い肝臓の働きを助けます。味付けは薄味にして野菜や果物、雑穀を多めに摂るようにします。