中国は南から北へと赤道地帯、熱帯、亜熱帯、暖温帯、温帯、寒温帯という六つの温度帯に分かれています。
気温
主に大陸性モンスーン気候に属し、毎年9月から翌年の4月までは、乾燥した冷たい風がシベリアとモンゴル高原から吹くため、南北の温度差が非常に大きく なっています。毎年4月から9月までは、温暖湿潤の季節風が東部と南部の海から吹いてくるため、南北の温度差は小さくなります。
中国大陸で最も寒い地方は黒龍江省漠河鎮で、1月の平均気温は-30.6℃です。過去に計測史上最も低い-52.3℃を記録したこともあります。
最も暑い地方は新疆ウイグル自治区トルファンで7月の平均気温は33℃、計測史上最も高い49.6℃の記録があります。
『三大火鍋(三大火炉)』は、夏暑い地方として有名な3地域である、重慶・武漢・南京を指しています。
歴史上の気温変化
木簡などに記された記録によると中国では歴史上4回の温暖期と4回の寒冷期が交互に出現していました。
- 紀元前3000年頃(仰韶文化時代)から紀元前1000年頃(安陽殷墟時代):第一次温暖期:おおよその年平均気温は現在より2℃前後高く、冬季の平均気温も現在より3~5℃高かったとされています。
- 紀元前1000年頃から紀元前800年頃(周代初期):第一次寒冷期:年平均気温は0℃以下でした。
- 紀元前700年頃から紀元初年(秦~漢代):第二次温暖期とされています。
- 紀元初年(東漢、三国時代)から紀元600年頃(六朝時代):第二次寒冷期とされています。
- 紀元600年から紀元1000年(随・唐代):第三次温暖期とされています。
- 紀元1000年から紀元1200年(南宋時代):第三次寒冷期:年平均気温は現在より2℃前後低かったとされています。
- 紀元1200年(宋末期)から紀元1300年(元初期):第四次温暖期:平均気温は第三次温暖期よりやや低く、象の生息域北限が淮河流域から長江流域以南へと変化しています。
- 紀元1300年以降(明・清代):第四次寒冷期:平均気温は現在より1~2℃前後低かったとされています。
このように温暖期と寒冷期が交互に出現してきましたが、歴史記載だけでなく雪線高度による気候変動の測定結果とも一致しています。
全体的に見ると温暖から寒冷に変化してきています。寒冷期は出現のたびに長く、寒くなっています。第二次寒冷期には淮河は紀元225年に1回凍りましたが、第四次寒冷期の1670年には長江が凍ったことが記録されています。
降水量
中国全国の平均年間降水量は630ミリで、南東部から北西部へと次第に少なくなっています。各地域の年間降水量は下記のようになっています。
- 東南沿海地域:広東省、広西チワン族自治区東部、福建省、江西省、浙江省、台湾など:1500~2000ミリ
- 長江中流~下流域:1000~1600ミリ
- 淮河、泰嶺一帯と遼東半島:800~1000ミリ
- 黄河下流域、渭河流域、海河流域及び東北大興安嶺以東:500~750ミリ
- 黄河上・中流域及び東北大興安嶺以西:200~400ミリ
- 西北内陸地域:100~200ミリ
- 新疆ウイグル自治区塔里木盆地(タリム盆地)、吐鲁番盆地(トルファン盆地)、柴达木盆地(チャイダム盆地):50ミリ以下、特に盆地中央部では20ミリ以下
・淮河:河南省に源を発し、安徽省を経て江蘇省境の洪沢湖に注ぐ川の名
・渭河:甘粛省に源を発し、陝西省を経て黄河に入る川の名
・海河:河北省にある川の名。別名:沽河
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